方形波に対するハイパスRC回路の応答

目次

ハイパスRC回路の方形波入力に対する応答を調べます。電圧のグラフと数値例が示されています。
ハイパスRC回路の方形波に対する応答に関するオンライン計算機とグラフ作成ツールも含まれています。

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解答付きの問題

下のハイパスRC回路におけるコンデンサ \( R \) にかかる電圧を、時間の関数として求め、グラフ化しなさい。

ハイパスRC回路
図1 - ハイパスRC回路
入力電圧 \( v_i(t) \) が次のグラフに示される方形波であるとします。
方形波
図2 - ハイパスRC回路への入力としての方形波
問題の解答
ローパスRC回路の方形波応答の研究では、コンデンサにかかる電圧が次のように表されることがわかりました。
\( \displaystyle v_C(t) = \displaystyle V_0 \sum_{n=0}^{n=\infty} \left \{ u(t-nT) \; \left(1 - e^{- \dfrac{t - n \; T}{R \;C} } \right) \\\\ \quad \quad \quad \quad - u(t-(n+1/2)T) \; \left(1 - e^{-\dfrac{ t - (n + 1/2) T}{\; R \; C} } \right) \right\} \)
入力 \( v_i(t) \) が、正負のステップ関数の和でモデル化される方形波の場合、

\( \displaystyle v_i(t) = V_0 \sum_{n=0}^{n=\infty} \left\{ u(t - n\;T)- u (t-(n+1/2)\;T) \right\} \)
この研究では、抵抗にかかる電圧 \( v_R(t) \) を求める必要があります。これは次の式で与えられます。
\( v_R(t) = v_i(t) - v_C(t)\)
\( v_i(t) \) と \( v_C(t) \) を上記の式で代入すると、\( v_R(t) \) は次のように簡略化できます。
\( \displaystyle v_R(t) = \displaystyle V_0 \sum_{n=0}^{n=\infty} \left \{ u(t-nT) \; \left(e^{- \dfrac{t - n \; T}{R \;C} } \right) \\\\ \quad \quad \quad - u(t-(n+1/2)T) \; \left(e^{-\dfrac{ t - (n + 1/2) T}{\; R \; C} } \right) \right\} \)

数値適用
次のようにします。\( V_0 = 10 \) V , \( R = 200 \; \Omega \) および \( C = 5 \) mF.
\( R\;C = 200 \times 5 \times 10^{-3} = 1 \) s (秒)
下に示すのは、シフトされたステップ関数の和として定義された入力方形波 \( v_i(t) \) のグラフと、上記で示された抵抗にかかる電圧 \( v_R(t) \) のグラフです。入力方形波の周期 \( T \) に対して異なる値の4つのグラフがあります。
a) \( T = 15 RC = 15 \) 秒

周期 T = 15 RC の方形波に対するハイパスRC応答
図3 - 周期 T = 15 RC の方形波に対する入力 \( v_i(t) \) と抵抗にかかる電圧 \( v_R(t) \) のグラフ

b) \( T = 10 RC = 10 \) 秒
周期 T = 10 RC の方形波に対するハイパスRC応答
図4 - 周期 T = 10 RC の方形波に対する入力 \( v_i(t) \) と抵抗にかかる電圧 \( v_R(t) \) のグラフ

c) \( T = 5 RC = 5 \) 秒
周期 T = 5 RC の方形波に対するハイパスRC応答
図5 - 周期 T = 5 RC の方形波に対する入力 \( v_i(t) \) と抵抗にかかる電圧 \( v_R(t) \) のグラフ

d) \( T = 2 RC = 2 \) 秒
周期 T = 2 RC の方形波に対するハイパスRC応答
図6 - 周期 T = 2 RC の方形波に対する入力 \( v_i(t) \) と抵抗にかかる電圧 \( v_R(t) \) のグラフ



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