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二重積分の応用

体積と面積を計算するための二重積分の応用例を、詳細な解答とともに紹介します。 \( \)\( \)\( \)

二重積分を使用して体積を計算する

領域 \( R \) の上にあり、曲面 \( z = f(x,y) \) の下にある立体の体積 \( V \) は、次の二重積分によって求められます[6]。 \[ \displaystyle V = \iint_R f(x,y) \;dy \;dx \]

例 1
二重積分を使用して、平面 \( z = 0 \) と放物面 \( z = 4 - x^2 - y^2 \) の間にある立体の体積を計算します。
解答 例 1
平面 \( z = 0 \) と放物面の間の立体が下図に示されています。

曲面と領域間の体積
図1 - 平面 \( z = 0 \) と放物面 \( z = 4 - x^2 - y^2 \) の間の体積
積分領域 \( R \) は、放物面と平面 \( z =0 \) の交点であり、放物面の方程式で \( z = 0 \) と設定することで得られます。
\( 0 = 4 - x^2 - y^2 \)
標準形に書き直すと、
\( x^2 + y^2 = 2^2 \)
これは中心が \( (0,0) \) で半径が \( 2 \) の円です。
積分領域 例1
図2 - 積分領域 \( R \) は、中心が \( (0,0) \) で半径が \( 2 \) の円です。
積分領域が円であるため、極座標での二重積分を使用する方が効率的です。
体積 \( V \) は、次の二重積分で計算されます。
\( V = \displaystyle \iint_R f(x,y) \;dy \;dx \) , ここで \( R \) は次のように定義される積分領域です。
\( R: 0\le \theta \le 2\pi , 0 \le r \le 2 \)
これは図2に示される円であり、\( f(x,y) = z = 4 - x^2 - y^2 \) です。
極座標では、体積は次のように表されます。
\( \displaystyle V = \int_0^{2\pi} \int_0^2 (4-r^2) r dr d\theta \)
\( \displaystyle V = \int_0^{2\pi} \int_0^2 (4-r^2) r dr d\theta \)
\( = \int_0^{2\pi} \left[2r^2-\frac{r^4}{4}\right]_0^2 d\theta \)
\( = \int_0^{2\pi} ( 4 ) d\theta \)
\( = 8 \pi \)