ガウス積分 \( \displaystyle I = \int_{-\infty}^{+\infty} e^{-x^2} dx \) の評価を、二重積分および極座標を使用して行います。
ガウス積分は次のように定義されます
\[ I = \int_{-\infty}^{+\infty} e^{-x^2} dx \]
この \( I \) を評価する必要があります。
まず、積分 \( \displaystyle \int_{-\infty}^{+\infty} e^{-x^2} dx \) と \( \displaystyle \int_{-\infty}^{+\infty} e^{-y^2} dy \) が等しいことを確認します。そのため、次のように書くことができます。
\( I^2 = \displaystyle \left(\int_{-\infty}^{+\infty} e^{-x^2} dx \right) \left(\int_{-\infty}^{+\infty} e^{-y^2} dy \right) \)
これを次のような二重積分として書き換えることができます。
\( I^2 = \displaystyle \int_{-\infty}^{+\infty} \int_{-\infty}^{+\infty} e^{-(x^2+y^2)} \; dx \; dy \)
ここで、直交座標と極座標の関係を \( x = r \cos \theta \) , \( y = r \sin \theta \) , \( r^2 = x^2 + y^2 \) とし、上記で示した直交座標から極座標への積分の変換 (I) を使用します。
\( I^2 = \displaystyle \int_{-\infty}^{+\infty} \int_{-\infty}^{+\infty} e^{-(x^2+y^2)} \; dx \; dy = \int_{0}^{2\pi} \int_{0}^{\infty} e^{-r^2} r \;dr \;d\theta \)
ここで \( \displaystyle \int_{0}^{\infty} e^{-r^2} r \;dr = -(1/2) e^{-r^2} \) を使用すると、
\( I^2 = \displaystyle \int_{0}^{2\pi} \left[-(1/2) e^{-r^2}\right]_0^{\infty} \;d\theta \)
これを次のように書き換えることができます。
\( I^2 = \displaystyle \int_{0}^{2\pi} (-1/2) \left[e^{-\infty}-e^0 \right] \;d\theta \)
限界を使用して \( e^{-\infty} = \lim_{a\to\infty} e^{-a} = 0 \) となることを確認し、次に進みます。
\( I^2 = \displaystyle \int_{0}^{2\pi} \dfrac{1}{2} \;d\theta \)
上記の積分を評価します。
\( I^2 = \dfrac{1}{2} \left[\theta\right]_0^{2\pi} \)
\( = \dfrac{1}{2} \left[2\pi - 0 \right] \)
\( = \pi \)
ここまでで \( I^2 = \pi \) を計算しましたので、平方根を取って次のようになります。
\[ I = \int_{-\infty}^{+\infty} e^{-x^2} dx = \sqrt {\pi}\]